真珠湾攻撃をモチーフにした(色々物議を醸した)戦争恋愛映画

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史実を元にした戦争映画を作るという事はとても難しいものだと思います。

1つは使われた銃器や戦闘機・戦車などにおいて「嘘」を描くと軍事マニアなどから手厳しい批判を食らう事です。
使ってる銃、着ている服、乗っている戦車や戦闘機などなど。カラーリング1つ違うだけでも怒るマニアがいるので、かなり神経を使わないといけないんじゃないかなと思います。

そしてもう1つは「作り手によって正義と悪が変わってくる」という点。
今回紹介する「パール・ハーバー」を例に挙げれば、本作はアメリカ映画なので、アメリカ側が「正義」という感じで描かれ、日本側は「悪」として描かれています。
が、もしもこれを日本が作っていたならば、きっとそうはならなかったはずです。
誰を正義(主人公)として描くかで、同じ出来事を描くにしても色合いがかなり変わってくるのが戦争映画です。
その辺りのさじ加減も難しいんじゃないかなと思います。


話が長くなってしまいましたが、映画「パール・ハーバー」は2001年に公開されたアメリカ映画です。
「パール・ハーバー」とはハワイにある真珠湾の事。言うまでもないですが、1941年に起こった真珠湾攻撃の舞台となった場所です。
監督はマイケル・ベイ、出演はベン・アフレック、ジョシュ・ハートネット、ケイト・ベッキンセイル。

太平洋戦争直前のアメリカ人兵士2人と1人看護婦との三角関係を描いた恋愛映画です。
その途中に真珠湾攻撃に遭い、大きく運命が変わっていく……という感じです。


私は劇場に行ってこの映画を観てきました。
私は軍事にはそれほど詳しくないので、コッテコテの恋愛と、ド迫力の真珠湾攻撃を素直に楽しませてもらいましたが、詳しい人間からすると穴ボコだらけの映画だったようです。


とりあえず、映像の迫力は今見ても凄いと思います。
ド迫力の爆発シーン、轟く機銃と土煙、空を滑空するゼロ戦、そしてゼロ戦と戦いを繰り広げるアメリカの戦闘機……。さすがマイケル・ベイ監督! と言わんばかりのシーンは素直に凄いと感じました。

恋愛ドラマに関してはまあ普通。特に悪いとも思いませんでしたが、予想の範囲内の展開で、無難な出来栄えかなと。
ただ、ヒロインの看護婦イヴリンを演じたケイト・ベッキンセイルの美人っぷりは凄かった。ハリウッドにはこんなトンデモナイ美女がゴロゴロいるらしいですから凄いですわ(笑)。


さて、ここからが本題(なのかな?)。歴史考証です。
専門家から見ると本作はとにかく穴ボコだらけの作品だったようです。
いくつか挙げると

・山本五十六がそこにいるかのようなシーンがある(当時、山本は広島にいた)
・真珠湾攻撃の作戦を練る場所が屋外(普通は屋内)
・出発する前に兵士達がお酒を飲む(普通は飲まない)
・ゼロ戦の型やカラーリングが違う
・ゼロ戦で使われてる機銃が違う
・戦闘機パイロットの主人公達が爆撃機のパイロットもやってる(普通は別々の人がやる)

と言った感じです。

おそらく「分かりやすさ」を演出しようとしてこうなったんだと思います。私は山本五十六がそこにいた事以外はそんなに重要な事じゃない気もしますが、こういうのが許せない人がいるのが戦争映画ですからね。


この映画をどう見るかは人次第ですが、本作程「見方によって評価がまったく異なる作品」も珍しいと思います。
気になった方は見てみてはいかがでしょうか?


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