ドラッグとセックスに明け暮れる若者達の自堕落な日々を描いた衝撃作

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私がこの作品を読んだのは高校生の頃。友人に「面白いから読んでみなよ」と勧められたのがきっかけでした。

「限りなく透明に近いブルー」というセンス抜群のタイトルに惹かれて読んだものの、最初は何を言ってるのかさっぱり分からず、面白さが分かりませんでした。
が、何度も読む内にその透明感のある詩的な表現などに惹かれていきました。

本作は東京の福生を舞台に、ドラッグやセックスに明け暮れる若者達の自堕落な日々が描かれるというモノ。ストーリーらしきストーリーは存在せず、ただただ毎日適当にメシ食ってクスリやって、暇があれば女とセックスして……とそれだけです。
盛り上がりも無ければ盛り下がる場面も無く、最初から最後までずっと同じ感じです。
なので、受け付けない人は数ページ読んだだけで投げ出してしまうでしょう。

が、本作は芥川賞を受賞しており、本の発行部数は367万部とモンスター級の記録を持っています。


本作の特徴は「何もかもが静かな所」という事です。
ドラッグ、セックス、ケンカ(バイオレンス)……。描かれている事は非常に衝撃的なのに、それをただ淡々と表現しているのです。目の前でセックスが行われています、目の前でケンカが行われています、それだけ。そこに感情的なモノは何もなく、ただそこで起こっているというだけ。
その「妙に淡々と描いている」という事が評価されたんだとか。

確かに読んでみるとそんな感じがします。
まあ、そういう評価を読んだから、そう感じているだけかもしれませんが(汗)。


今でこそ知識人としてテレビに出ている作家の村上龍氏ですが、昔はこんな事してたと思うと、何と言うか、人間って凄いなって思います(本作は村上龍氏自身の実体験が元になってるんだとか)。

ちなみに本作のタイトルは元々「クリ〇リスにバターを」というものだったとか。
……やっぱり凄いわ、村上先生!


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